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「東方伊吹伝」
第四章:動乱の大陸

勘違い

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「ここにある武器等は使ってもろてかまへん。吸血鬼を退治しよう言うてるのに銀製の武器もなかったらどないもあらへんやろ。そんな人はここの武器を持って行ってくれや」


剣に槍、斧に弓。それにこれは鉄砲だろうか?月の戦闘員が持っていたのとは形が違うけど目の前には新品の物が数多く並んでいた。


結局、僕の案は他の退治屋には相手にされなかった。そんな作戦は通用しない、数で当たれば倒せるなどの案が多く、連携して吸血鬼と闘うなど考えている人は少なかった。中では集団でこの討伐に参加している人達もいて、なまじ力がある分楽観視している者も多かった。

そんなわけだから僕と美鈴だけで実行することになった。皆さんには悪いけど僕もまだ死ぬわけにはいかない。邪魔はしないけど、こっちのいいように使わせてもらうだけだ。


「ん?二人は何も持っていかんのか?」

「銀製の武器よりも用意してほしい物があるんですけど、頼めますか?」

「モノによるけど、なんや?」

「礼装と儀式杖とかってあります?」














『吸血鬼』アルフォード・スカーレット。
その圧倒的な力を持って人を殺し、食い、その血を全身に浴びることを何よりも喜びにしている。

なんて噂が何年も前から流れているが、実際の彼はそんな噂とはかけ離れていた。

人の血を飲みはするが、生きている人間を襲うことはなかったし、何より彼は人間が好きである。もちろん妖怪も。明るい太陽の下で共に笑い、泣き、時には喧嘩する者を誰よりも愛おしく思っていた。そして羨ましかった。

確かに妖怪としては絶大な力を持つが、心の半分以上がヘタレ分で出来ている彼は争いなんてしたくなかった。彼を狙ってくる退治屋が紅魔館に訪れた時も裸足で逃げ出したかったし、実際逃げていた。それにハンターを倒したのは執事のクラウスであった。それを見て悲しかったし、バラバラになった死体を見て気絶しそうにもなった。そんな彼が欧州の妖怪を纏め上げる恐怖の象徴としていられるだろうか?

そんなこと出来るわけがない。誰にも優しい心を持つ吸血鬼に着いて行く妖怪は多くはなかった。だが彼にはそんなことどうでもよかった。美人なお嫁さんに、ちょっと怖いけど優秀な執事とメイド。産まれて間もない愛娘に、もうすぐ産まれる二人目の娘。それだけあれば何も要らないじゃん、と彼は本気でそう思っている。そうして幸せな生活を送っている彼だが、執事からまた自分が狙われていることを聞かされていた。


「クラウス、また俺を狙う愚か者がいると言うのか」

「左様にございます」


そんな彼には何故か無駄なカリスマがあった。椅子に座り、食後のトマトジュースをワインと勘違いして飲んでいる彼には何故かカリスマがあった。執事はしたり顔、妻とメイドは必死に笑いを堪え、何も知らない娘はそんな威厳のある父をキラキラした目で見ていた。


「今回は聖堂騎士の者が来るようですが、如何いたしましょう?」

「フン、俺を始末しに来るのだ。何位の者が来るのだ?」


お願いだから位持ちは来るなよ~、と顔には出さずに心の中で言うが、娘以外の付き合いの長い者には彼の心の中が手に取るように解っており、またしても笑いを堪えていた。


「それが新人らしく、ケビン・フォレストと言う名の青年としか解っておりません」

「何だそれは。俺は舐められているのか?」


実際彼ほどの妖怪を相手にするには、騎士団の第一、二位を除き、位持ち一人ではだいぶ厳しいのが現状である(ただ彼は戦闘らしいことなどしたことがないため一概には言えないが)。そんな彼に仕向けられた刺客は新人騎士ただ一人。可愛そうな新人だと思うが、これもまた彼の運命なのだろうと諦め、執事に任せることにした。


「クラウス、何時も通りお前に任せる」

「かしこまりました」

「お父様!私はお父様の闘う姿が見たいです!!」

「レ、レミリア!?何でまたそんな事を言うんだい?」


それに異を唱える者が一人。アルフォードの娘であり、その力を十分受け継いでいる自慢の娘。
名をレミリア・スカーレット。眼に入れても痛くない程に溺愛している娘である。


「だって、何時もクラウスがお父様の出番を取るじゃないですか!
 レミリアはお父様のカッコイイ姿が見たいです!」


困った。これは困ったことになった。自分がしたくないからクラウスに任せていたというのに、愛娘はそれが不服のようだ。うー、と可愛く唸りながら私を見つめるレミリアを見、助けを求めるように妻を見た。


「あなた、レミリアの為にがんばってね」


イイ笑顔だなぁシルフィ。何で君もそんなに期待している?俺が争いが嫌いなのは君も知っているだろうに。


「お父様・・・だめですか?」


ああレミリア、そんな潤んだ瞳で私を見ないでくれ。執事の影に隠れて生きる俺には眩しすぎる・・・。
仕方ない、一応その場に立ち会ってやっぱり何もすることはなかったよ作戦で許してもらおう。


「よし、じゃあ父様も今回は前に出よう」

「本当!?やったあ!!」


(よろしいのですか旦那様?)

(仕方ないだろう。それに、新米如きに私が遅れをとるとでも思っているのか?)

(旦那様は久しく闘っておりませんからなぁ。正直不安で胸が潰れてしまいそうです)

(う・・・それを言われると困る。だが危なくなっても俺には優秀な執事がいるから大丈夫だろう?)

(まったく・・・難儀な主に仕えてしまったものです)

(頼りにしているぞ、クラウス)


実はアットホームな紅魔館。そこに暮らす妖怪たちの笑顔が絶えない日はない。




















「じゃあそろそろ襲撃するけど準備はええか?」


夜も更け、妖怪たちが活発になる頃僕達は紅魔館のすぐ近くまで来ていた。なんで夜かって?あの不良騎士僕らを囮にした乱戦の中で仕留めるつもりだから暗い方がいいんじゃないのかな?まあそんなの無理だろうし、させないけどねー。

それは置いといて、ご飯は食べたし、礼服に着替えた。杖も貰った、作戦も頭に叩きこんだ。準備はOKですよ不良騎士。お前の作戦ブチ破るための準備は全部整ってますよ。


「じゃあ各々の作戦があるやろうから、中に入ったら個人に任せるさかいに。ほな行くで!!」


やっぱり僕達は囮ってわけか。

オオオオオオォオオォォッォオォォ、なんて声を上げて突撃する人もいれば、僕達みたいにゆっくりと注意しながら進む人など足並みはバラバラだ。


紅魔館の内部はそれなりに広いようで、これなら僕の作戦に支障もはないだろう。


「なあお前だろ?あの時の作戦を考えたのって」


ん?そういうオッサン達は何者ですかね?


「ああ、別に名乗らなくてもいいだろう。こんな所に来ちまったんだ、死ぬ奴の名前など知りたくないだろ?」


だったら話掛けないで貰いたいものだ。僕の心の中は今でも恐怖に震えているのだから。
今までだってそう。母さんの時も幽香さんの時も、アキナの時だって僕も何時も恐怖で足が竦みそうなのを耐えて立ち上がって来た。死というモノを前にしている今、あんたのような人に関わっていられるほど僕は強くないんだよ。


「・・・それで、なにか用ですか?」

「いや何、俺たちはお前の案に乗っかろうと思ってな」

「なんでまた急に・・・?」


散々人を馬鹿にしておいて、よくそんなことが言える。


「すぐに解る」


ギャァァァァァァッァァァァアアア!!??


tッツ!?何だ今の悲鳴は!?


「やっぱりな。俺たちは吸血鬼に会うことすら叶わないらしい」

「・・・噂の執事ってやつですか」


紅魔館に住む執事。文献にはその執事すら戦闘が出来るらしい。流石は執事《バトラー》と言うだけはあるのか?




「Exactly(その通りでございます)。皆さま、今宵は紅魔館にお越し頂き誠にありがとうございます。
おかげで買い出しに行く必要が省けました。そう言う訳ですので、どうぞ安心して死んで逝ってください」


黒を基調とした服に身を包んだ、銀色の髪の色をした初老の男性がこちらに頬笑みかけていた。この頬笑みが街中で見られればどれほどよかっただろうか。優しげにみるその瞳には、街では見られない確かな殺意が込められていた。


「お前の案に乗るぜ。まだ死にたくないからな」

死を前にして保身に入るか愚か者。僕だって本当なら逃げ出したいさ。でもね、逃げたら伊吹の名に傷がつく。そうなると母さんの顔に泥を塗ることになってしまう。誇り高い鬼の一族として、目の前の存在から逃げるなんて選択肢なんて存在しないんだよ。


「今は下がっていてください。こんな爺さん、僕一人で十分です」


だからそう言って杖を構える。鬼は嘘は吐かない。何時だって真っ向勝負で打ち勝ってきたんだ。


「たった一人で十分だと?無礼るなよ小僧・・・!!」

「棺桶に半分浸かってる爺が何言ってるのやら?まあ安心しなよ。あんたの主人と同じ棺桶に入れてやるから」

「吠えたな、小僧!!」


この人は強い。凄く強い。真正面から闘ったらタダじゃ済まない。だから僕にこの人の意識を集中させる必要がある。・・・目の前にいるのは僕だけなんだと思わせるために。


「そんなんだから、周りが見えないんだよ。・・・美鈴!!」

「お任せ!!」


僕がそう言うと、目の前の執事は何かに当たったかのように吹っ飛んで気絶してしまった。


「いやはや、幻術ってやつはすごいですねぇ。一応気配は消してましたけど、意味なかったかもしれないですよ」


「当然!何たって師匠お墨付きだからね。初見で見抜く人なんて居やしないよ」


そこにいた全員は何が起こったのか解らず唖然としていた。何?説明を要求するって?しょうがないなぁ。つまりどうやったかと言うと、

紅魔館襲撃前から美鈴を幻術で隠す→侵入の後執事と会って挑発・もしもの為に意識を僕に向かせる→隙を見つけて美鈴が一撃で気絶させる

という流れで執事を撃破したというわけ。もちろん気絶させるだけに留めている。もしキュッしてしまったなら僕らは吸血鬼の本気を見ることになるだろうしね。
鬼は真っ向勝負じゃないのかって?残念ながら僕人間です★もちろんこんな真似したくなかったよ?でも死んじゃったら元も子もないでしょ。生きてさえいれば何だって出来る。生きてればね。これからの消耗を考えると、こうでもしなきゃやってられないんだよ。


「お前たちって、案外汚ぇんだな・・・」


ははは、オジサン達今頃気が着いたんですか?あの不良騎士ほどじゃないですけどね。
あと僕も美鈴も、貴方達からしたら十分に規格外だと自負してますよ?






「ほう、あのクラウスを策一つで退けるか。今回の騎士は随分優秀と見える」


突然に背筋をゾクリ、とさせる声。声の聞こえた先には金髪の男が立っていた。どこか『王』を感じさせる存在感に知らず膝を突きそうになるほどの重圧がその場を包んでいった。
来たか、吸血鬼。呟く美鈴を見、その目線の厳しさにはこれからの激闘を想わせる物があった。そして僕は美鈴に心の中で謝り、そして祈る。どうか全てが旨く行くようにと。

それとあと一つ。作戦立てたの、ケビンさんじゃなくて僕ですから!

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